第5部 捜査および訴追 ― PART 5. INVESTIGATION AND PROSECUTION

第53条 捜査の端緒 ―Article 53 Initiation of an investigation

① 検察官は、利用できる情報を評価して、捜査を開始しなければならない。ただし、本規程に従って手続を進める合理的な理由がないと判断する場合はこの限りでない。捜査を開始するかどうかを決定するにあたって、検察官は、次に掲げる事情を考慮しなければな…

第54条 検察官の捜査に関する義務および権限 ―Article 54 Duties and powers of the Prosecutor with respect to investigations

① 検察官は、次に掲げることをしなければならない。 a 真実を立証するため、本規程に照らして刑事責任があるかどうかについて判断するのに関連するあらゆる事実および証拠を収集するよう捜査し、かつ、その場合において、犯罪にあたる事情と免責にあたる事情…

第55条 捜査中における人の権利 ―Article 55 Rights of persons during an investigation

① 本規程に基づく捜査に関して、次に掲げる事項の通りとする。 a 自ら罪を負い、または有罪であると自白することを強制されてはならない。 b いかなる形態の強制、威迫もしくは脅迫の対象とされ、または、拷問その他の残虐で、非人間的もしくは品位をおとし…

第56条 唯一の捜査機会に関する予審部の役割 ―Article 56 Role of the Pre-Trial Chamber in relation to a unique investigative opportunity

①a 検察官は、捜査が証人による証言もしくは供述を得て、または、証拠を検討し、収集しもしくは検査するための唯一の機会であると考える場合であって、後になっては裁判の目的のためにこれを利用できないときは、予審部にその旨通知しなければならない。 b …

第57条 予審部の職務および権限 ―Article 57 Functions and powers of the Pre-Trial Chamber

① 予審部は、本条の規定に従ってその職務を行なう。ただし、本規程に別に定める場合はこの限りでない。 ②a 第15条、第18条、第19条、第54条第2項、第61条第7項および第72条に従って発せられた予審部の命令または決定は、その裁判官の多数の一致した意見に基…

第58条 予審部による逮捕状または召喚状の発付 ―Article 58 Issuance by the Pre-Trial Chamber of a warrant of arrest or a summons to appear

① 捜査開始後いつでも、予審部は、検察官の要請に基づいて、検察官の要請および検察官の提出した証拠またはその他の情報を審査した後に、次に掲げる要件を満たす場合は、逮捕状を発しなければならない。 a その人が本裁判所の管轄権に属する犯罪を行なったと…

第59条 身体拘束を行なった国における逮捕 ―Article 59 Arrest proceedings in the custodial State

手続 ① 仮逮捕または逮捕および引渡しの要請を受けた締約国は、自国の法および本規程第9部の規定に従って、当該人を逮捕する手段を直ちにとらなければならない。 ② 逮捕された人は、身体拘束を行なった国の権限ある裁判所の面前に直ちに引致されなければなら…

第60条 本裁判所への冒頭手続 ―Article 60 Initial proceedings before the Court

① 本裁判所にその人が引き渡され、または、その人が任意にもしくは召喚に応じて本裁判所に出頭した場合、予審部は、その人が実行したとされる犯罪および、公判前に一時的な釈放を要請する権利を含む。本規程にいう権利について告知を受けていることを確認し…

第61条 公判前における嫌疑の確認 ―Article 61 Confirmation of the charges before trial

① 本条第2項の規定に従って、その人が引き渡されまたは任意に裁判所に出頭した後合理的な期間内に、予審部は、検察官が公判を求めようとする理由となる嫌疑を確認するため、聴聞を行わなわなければならない。この聴聞は、検察官および起訴された人ならびにそ…