2004-06-01から1ヶ月間の記事一覧

第1条 裁判所 ― Article 1 The Court

この規程により国際刑事裁判所(以下「裁判所」という。) を設立する。裁判所は、常設機関とし、この規程に定める国際的な関心事である最も重大な犯罪を行った者に対して管轄権を行使する権限を有し、及び国家の刑事裁判権を補完する。裁判所の管轄権及び任…

第2条 裁判所と国際連合との連携関係 ― Article 2 Relationship of the Court with the United Nations

裁判所は、この規程の締約国会議が承認し、及びその後裁判所のために裁判所長が締結する協定によって国際連合と連携関係をもつ。 The Court shall be brought into relationship with the United Nations through an agreement to be approved by the Assemb…

第3条 裁判所の所在地 ― Article 3 Seat of the Court

1 裁判所の所在地は、オランダ (以下「接受国」という。)のハーグとする。 2 裁判所は、接受国と本部協定を結ぶ。この協定は、締約国会議が承認し、その後裁判所のために裁判所長が締結する。 3 裁判所は、この規程に定めるところにより、裁判所が望ましい…

第4条 裁判所の法的地位及び権限 ― Article 4 Legal status and powers of the Court

1 裁判所は、国際法上の法人格を有する。また、裁判所は、任務の遂行及び目的の達成に必要な法律上の能力を有する。 2 裁判所は、この規程に定めるところによりいずれの締約国の領域においても、及び特別の合意によりその他のいずれの国の領域においても、任…

第5条 裁判所の管轄権の範囲内にある犯罪 ― Article 5 Crimes within the jurisdiction of the Court

1 裁判所の管轄権は、国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪に限定する。裁判所は、この規程に基づき次の犯罪について管轄権を有する。 (a) 集団殺害犯罪 (b) 人道に対する犯罪 (c) 戦争犯罪 (d) 侵略犯罪 2 (削除) 1. The jurisdiction of the Court …

第6条 集団殺害犯罪 ― Article 6 Genocide

この規程の適用上、「集団殺害犯罪」 とは、国民的、民族的、人種的又は宗教的な集団の全部又は一部に対し、その集団自体を破壊する意図をもって行う次のいずれかの行為をいう。 (a) 当該集団の構成員を殺害すること。 (b) 当該集団の構成員の身体又は精神に…

第7条 人道に対する犯罪 ―Article 7 Crimes against humanity

1 この規程の適用上、「人道に対する犯罪」とは、文民たる住民に対する攻撃であって広範又は組織的なものの一部として、そのような攻撃であると認識しつつ行う次のいずれかの行為をいう。 (a) 殺人 (b) 絶滅させる行為 (c) 奴隷化すること。 (d) 住民の追放…

第8条 戦争犯罪 ―Article 8 War crimes

1 裁判所は、戦争犯罪、特に、計画若しくは政策の一部として又は大規模に行われたそのような犯罪の一部として行われるものについて管轄権を有する。 2 この規程の適用上、「戦争犯罪」とは、次の行為をいう。 (a)千九百四十九年八月十二日のジュネ-ヴ諸条約…

第9条 犯罪の構成要件に関する文書 ―Article 9 Elements of Crimes

1 裁判所は、前三条の規定の解釈及び適用に当たり、犯罪の構成要件に関する文書を参考とする。犯罪の構成要件に関する文書は、締約国会議の構成国の三分の二以上の多数による議決で採択される。2 犯罪の構成要件に関する文書の改正は、次の者が提案すること…

第10条 ― Article 10

この部のいかなる規定も、この規程の目的以外の目的のために現行の又は発展する国際法の規則を制限し、又はその適用を妨げるものと解してはならない。 Nothing in this Part shall be interpreted as limiting or prejudicing in any way existing or develo…

第11条 時間についての管轄権 ―Article 11 Jurisdiction ratione temporis

1 裁判所は、この規程が効力を生じた後に行われる犯罪についてのみ管轄権を有する。 2 いずれかの国がこの規程が効力を生じた後にこの規程の締約国となる場合には、裁判所は、この規程が当該国について効力を生じた後に行われる犯罪についてのみ管轄権を行使…

第12条 管轄権を行使する前提条件 ―Article 12 Preconditions to the exercise of jurisdiction

1 この規程の締約国となる国は、第五条に規定する犯罪についての裁判所の管轄権を受諾する。 2 裁判所は、次条(a)又は(c)に規定する場合において、次の(a)又は(b)に掲げる国の一又は二以上がこの規程の締約国であるとき又は3の規定に従い裁判所の管轄権を受…

第13条 管轄権の行使 ―Article 13 Exercise of jurisdiction

裁判所は、次の場合において、この規程に基づき、第五条に規定する犯罪について管轄権を行使することができる。 (a) 締約国が次条の規定に従い、これらの犯罪の一又は二以上が行われたと考えられる事態を検察官に付託する場合 (b) 国際連合憲章第七章の規定…

第14条 締約国による事態の付託 ―Article 14 Referral of a situation by a State Party

1 締約国は、裁判所の管轄権の範囲内にある犯罪の一又は二以上が行われたと考えられる事態を検察官に付託することができるものとし、これにより、検察官に対し、そのような犯罪を行ったことについて一人又は二人以上の特定の者が訴追されるべきか否かを決定…

第15条 検察官 ―Article 15 Prosecutor

1 検察官は、裁判所の管轄権の範囲内にある犯罪に関する情報に基づき自己の発意により捜査に着手することができる。 2 検察官は、取得した情報の重大性を分析する。このため、検察官は、国、国際連合の諸機関、政府間機関、非政府機関その他の自己が適当と認…