2004-05-01から1ヶ月間の記事一覧

第16条 捜査または訴追の付託 ―Article 16 Deferral of investigation or prosecution

いかなる捜査又は訴追についても、安全保障理事会が国際連合憲章第七章の規定に基づいて採択した決議により裁判所に対してこれらを開始せず、又は続行しないことを要請した後十二箇月の間、この規程に基づいて開始し、又は続行することができない。安全保障…

第17条 受理許容性の問題 ―Article 17 Issues of admissibility

1 裁判所は、前文の第十段落及び第一条の規定を考慮した上で、次の場合には、事件を受理しないことを決定する。 (a) 当該事件がそれについての管轄権を有する国によって現に捜査され、又は訴追されている場合.ただし、当該国にその捜査又は訴追を真に行う意…

第18条 受理許容性についての予備的な決定 ―Article 18 Preliminary rulings regarding admissibility

1 検察官は、事態が第十三条(a)の規定に従って裁判所に付託されており、かつ、捜査を開始する合理的な基礎があると決定している場合又は同条(c)及び第十五条の規定に従って捜査に着手する場合には、すべての締約国及び利用可能な情報を考慮して問題となる犯…

第19条 裁判所の管轄権又は事件の受理許容性についての異議の申立て ―Article 19 Challenges to the jurisdiction of the Court or the admissibility of a case

1 裁判所は、提起された事件について管轄権を有することを確認する。裁判所は、職権により第十七条の規定に従って事件の受理許容性を決定することができる。2 裁判所の管轄権についての異議の申立て又は第十七条の規定を理由とする事件の受理許容性について…

第20条 一事不再理 ―Article 20 Ne bis in idem

1 いかなる者も、この規程に定める場合を除くほか、自己が裁判所によって既に有z罪又は無罪の判決を受けた犯罪の基礎を構成する行為について裁判所によって裁判されることはない。2 いかなる者も、自己が裁判所によって既に有罪又は無罪の判決を受けた第五条…

第21条 適用法 ―Article 21 Applicable law

1 裁判所は、次のものを適用する。 (a) 第一に、この規程、犯罪の構成要件に関する文書及び手続及び証拠に関する規則 (b) 第二に、適当な場合には、適用される条約並びに国際法の原則及び規則(確立された武力紛争に関する国際法の原則を含む。) (c) (a)及び(…

第22条 「法なくして犯罪なし」 ―Article 22 Nullum crimen sine lege

1 いずれの者も、問題となる行為が当該行為の発生した時において裁判所の管轄権の範囲内にある犯罪を構成しない限り、この規程に基づく刑事上の責任を有しない。2 犯罪の定義については、厳格に解釈するものとし、類推によって拡大してはならない。あいまい…

第23条 「法なくして刑罰なし」 ―Article 23 Nulla poena sine lege

裁判所によって有罪の判決を受けた者については、この規程に従ってのみ処罰することができる。 A person convicted by the Court may be punished only in accordance with this Statute. いかなる人も、本裁判所によって有罪とされた場合に、本規程と合致す…

第24条 人に関する不遡及 ―Article 24 Non-retroactivity ratione personae

1 いかなる者も、この規程が効力を生ずる前の行為についてこの規程に基づく刑事上の責任を有しない。2 確定判決の前にその事件に適用される法に変更がある場合には、捜査され、訴追され、又は有罪の判汝を受ける者に一層有利な法が適用される。 1. No person…

第25条 個人の刑事責任 ―Article 25 Individual criminal responsibility

1 裁判所は、この規程に基づき自然人について管轄権を有する。2 裁判所の管轄権の範囲内にある犯罪を行った者は、この規程により、個人として責任を有し、かつ、刑罰を科される。3 いずれの者も、次の行為を行った場合には、この規程により、裁判所の管轄権…

第26条 十八歳未満の者についての管轄権の除外 ―Article 26 Exclusion of jurisdiction over persons under eighteen

裁判所は、犯罪を実行したとされる時に十八歳未満であった者について管轄権を有しない。 The Court shall have no jurisdiction over any person who was under the age of 18 at the time of the alleged commission of a crime. 本裁判所は、犯罪の実行の…

第27条 公的資格の無関係 ―Article 27 Irrelevance of official capacity

1 この規程は、公的資格に基づくいかなる区別もなく、すべての者についてひとしく適用する。特に、元首、政府の長、政府若しくは議会の一員、選出された代表又は政府職員としての公的資格は、いかなる場合にも個人をこの規程に基づく刑事責任から免れさせる…

第28条 指揮官その他の上官の責任 ―Article 28 Responsibility of commanders and other superiors

裁判所の管轄権の範囲内にある犯罪についての刑事責任であってこの規程に定める他の事由に基づくものほか、 (a) 軍の指揮官又は実質的に軍の指揮官として行動する者は、その実質的な指揮及び管理の下にあり、又は状況に応じて実質的な権限及び管理の下にある…

第29条 出訴期限の不適用 ―Article 29 Non-applicability of statute of limitations

裁判所の管轄権の範囲内にある犯罪は、出訴期限の対象とならない。 The crimes within the jurisdiction of the Court shall not be subject to any statute of limitations. 本裁判所の管轄権に属する犯罪は、いかなる消減時効または出訴期限にも服さない。

第30条 主観的な要素 ―Article 30 Mental element

1 いずれの者も、別段の定めがある場合を除くほか、故意に及び認識して客観的な要素を実行する場合にのみ、裁判所の管轄権の範囲内にある犯罪について刑事上の責任を有し、かつ、刑罰を科される。2 この条の規定の適用上、次の場合には、個人に故意があるも…

第31条 刑事責任を免除する事由 ―Article 31 Grounds for excluding criminal responsibility

① 本規程に定める刑事責任を免除する他の事由に加えて、行動の時において、次に掲げる場合に当たるときは、その人の刑事責任はない。 a その人が、自己の行為の違法性もしくは性質を評価する人の能力または法の要求に従う自己の行動を制御する能力を破壊する…

第32条 事実の錯誤および法の錯誤―Article 32 Mistake of fact or mistake of law

① 事実の錯誤は、それが犯罪によって必要とされる主観的要素を否定する場合に限り、刑事責任を免除する事由とする。 ② 特定の行為が本裁判所の管轄権に属する犯罪であるかどうかについての法の錯誤は、刑事責任を免除する事由とされない。ただし、法の錯誤は…

第33条 上官の命令および法の命令―Article 33 Superior orders and prescription of law

① 本裁判所の管轄に属する犯罪が、政府または軍民を問わず上官の命令に従って、行われた場合、行為者の刑事責任は、次に掲げる場合でなければ、免除されない。 a その人が、政府または当該上官の命令に従う法的な義務を負っていた場合であって、 b その人…

第34条 裁判所の機関―Article 34 Organs of the Court

本裁判所は、次にかかげる機関によって構成する。 a 統括部 b 上訴部、公判部および予審部 c 検察局 d 書記局 The Court shall be composed of the following organs:(a) The Presidency;(b) An Appeals Division, a Trial Division and a Pre-Trial Div…

第35条 裁判官の任務―Article 35 Service of judges

① あらゆる裁判官は、本裁判所の全日勤務の構成員として選出され、かつ、その職務の開始からこれに基づき勤務することが可能とされなければならない。 ② 統括部を構成する裁判官は、選出され次第、全日勤務に基づき勤務する。 ③ 統括部は、本裁判所の仕事量…

第36条 裁判官の資格、任命および選出 ーArticle 36 Qualifications, nomination and election of judges

① 本条第2項に従って、本裁判所に18名の裁判官を置く。 ②a 統括部は、本裁判所のために活動し、必要かつ適切と考えられる理由を示して、第1項に定める裁判官の人数の増加を提案することができる。書記官は、このような提案のいずれをも、直ちに、すべての締…

第37条 欠員 ―Article 37 Judicial vacancies

① 欠員が生じた場合、第36条に従い、欠員を補充するために選出を行なう。 ② 欠員を補充するために選出された裁判官は、先任者の任期の残りの期間について勤務し、その期間が3年以下である場合には、第36条に従い、完全な任期について再任される。 1. In the …

第38条 統括部 ―Article 38 The Presidency

① 裁判所長ならびに第1副所長および第2副所長は、裁判官の絶対的多数によって選出する。 これらの人はそれぞれ、3年の任期またはその裁判官としての任期の終わりまで、勤務する。これらの人は、1度に限り再任される。 ② 第1副所長は、裁判所長が不在の時また…

第39条 部 ―Article 39 Chambers

① 裁判官の選出が終了した後、できるだけすみやかに、本裁判所は、第34条第b項に定める局を構成しなければならない。上訴局は、裁判所長およびその他4名の裁判官によって構成し、公判局は、6名以上の裁判官によって構成し、予審局は、6名以上の裁判官によっ…

第40条 裁判官の独立 ―Article 40 Independence of the judges

① 裁判官は、その職務の執行にあたって、独立でなければならない。 ② 裁判官は、その司法の職務と抵触しまたはその独立性に対する信頼を損なうおそれのある活動にかかわってはならない。 ③ 裁判官は、本裁判所の職務に全日勤務に基づいて務めることを要求さ…

第41条 裁判官の回避および除斥 ―Article 41 Excusing and disqualification of judges

① 統括部は、裁判官の請求に基づき、手続および証拠の規則に従って、本規程に基づく職務の執行を免除することができる。 ②a 裁判官は、いかなる理由からも、その公平性に対する合理的な疑いを生じさせうる事件に関与してはならない。裁判官は、いかなる資格…

第42条 検察官の職務 ―Article 42 The Office of the Prosecutor

① 検察局は、本裁判所の別個の機関として、独立して職務を執行しなければならない。検察局は、本裁判所の管轄権に属する犯罪について、申立てまたは裏付けのあるいかなる情報も受理する責任を負う。検察局の構成員は、いかなる外部からの指示を求め、または…

第43条 書記局 ―Article 43 The Registry

① 書記局は、本裁判所の運営および業務のうち裁判作用にかかわらない面について責任を負う。ただし、第42条に従って検察官の職務および権限を妨げることはできない。 ② 書記局は、本裁判所の主要な行政官である書記官を長とする。書記官は、本裁判所の所長の…

第44条 職員 ―Article 44 Staff

① 検察官および書記官は、それぞれの職務に必要とされる資格のある職員を指名する。検察官に関して、捜査官の指名を含まなければならない。 ② 職員の雇用において、検察官および書記官は、最も高い水準での効率性、能力および廉潔性を確保し、第36条第8項に…

第45条 宣誓 ―Article 45 Solemn undertaking

本規程においてそれぞれの職責を果たす前に、裁判官、検察官.検察官補佐、書記官および書記官補佐はそれぞれ、みずからの職務を公平かつ誠実に行なうことを、公開の法廷において、宣誓しなければならない。 Before taking up their respective duties under …